クロテッドクリームの冷凍について。

     
中沢のクロテッドクリームについて、「冷凍保存出来ませんか」というお問い合わせが多いので、クロテッドクリームの冷凍保存についてまとめてみました。

一般に冷凍できないとされている生クリームの乳脂肪分は45%程度。冷凍保存が可能なバターの場合は、乳脂肪分が80%以上です。
それに対して、この中沢のクロテッドクリームの乳脂肪分は63%で、ちょうど、生クリームとバターの中間くらいの乳脂肪分ですね。

食品を冷凍して品質が損なわれるのは、水分が凍って大きな結晶となるためです。そのため、水分量の極端に少ない物や、水分を含んでいても細かく分離した状態で含まれている物は氷の結晶が大きくならないために、冷凍しても品質の劣化が、あまりありません。

生クリームは水分の間に乳脂肪分が分離した状態で存在しているため、水分は結晶すると大きくなってしまいます。でも、、バターは、乳脂肪分の中に、水分が細かく分離して存在しているために、、家庭の冷凍庫でも冷凍できるのですね。

では、その中間のクロテッドクリームは、いったい、冷凍できるのでしょうか?
メーカーの中沢は、保存方法を「 要冷蔵・3〜8℃ 」と定めていますが。

リンアンで、実際に冷凍してみました。結果は、ほとんど問題なく冷凍保存ができました。「ちょっと口解けが違うかな?」という程度でした。

ただ、1個だけの実験で、「冷凍保存できますよ。」とは言えません。
ここは、やはりメーカーの見解を聞かないといけないですよね。ということで確認したのですが、

「10個に1個くらいは、食べていただきたくない物が出てきます」という答えでした。

リンアンの実験では、たまたまうまくいったのですが、生クリームとバターの中間のクロテッドクリームは、条件によっては氷の結晶が大きくなってしまうようです。
原料の生クリームは、牛の生乳から作られます。その成分は当然季節変動、その他の変動がありますから、出来上がったクロテッドクリームも、品質は一定ではありません。
ですから、殆どの製品は冷凍保存出来ても、中には成分が分離する物が出てくるようです。

という事で、私どもとしては、まとめ買いいただいて冷凍保存することはお勧めいたしません。
送料が気になる方には、クール対象商品のまとめ買いをお勧めしております。

 

もちろん、このことは、お客様ご自身の責任での冷凍保存を否定するものでは有りませんので、ご了解くださいね。

最後にヒントをひとつ。
実は、生クリームでも、ショックフリーザーという急速冷凍機(マイナス40〜50℃)を使えば冷凍できてしまいます。だからコンビニでも生クリームのケーキが販売できるんですね。
ですから、もし、どうしても冷凍したい方は、冷気を直接当てるなど、出来る限り急速に冷凍できるように工夫してください。そうすれば、多少ですが品質劣化を少なくすることが出来ます。

最近は家庭用の冷凍冷蔵庫でも急速冷凍が出来る機種が開発されています。
こういった急速冷凍の機能を使えば冷凍できる可能性があります。

もちろんその場合でも、ご自身の責任で行ってください。もし、冷凍によるクロテッドクリームの品質の劣化があっても、私どもでは責任を負いかねますので。