紅茶専門店 ティーズリンアン 店主のブログ

紅茶専門店の店主が語る 紅茶の真実

忙しいランチ時でも美味しい紅茶を

      2024/06/30

多くのレストラン、カフェでは、ランチの時間はてんてこ舞いの忙しさだと思います。
そんな時にティーポットを使って抽出時間をきっちりと測って美味しい紅茶を淹れるなんて、正直言ってやってられないんじゃないでしょうか?

実は、そんな忙しいランチの時間に、お食事の後の一杯の紅茶を、淹れたてのように美味しく、しかも、すぐにお出しする方法が有ります。

卸先のカフェで試していただき、今、徐々に増えているやり方です。
そのカフェに紅茶好きな皆さんをお連れした事が有るのですが、皆さん、「わざわざ新しい紅茶を淹れてくれたんだ。」と、思っていたようですが、「実はこれ、作り置きなんですよ。」と言うと、びっくりされてました。

紅茶好きな皆さんが、「淹れたての紅茶」と思い込む程の作り置きの紅茶の淹れ方。

それは、3倍濃縮アイスティー。

リンアン流のアイスティーを3倍の量の茶葉を使い、3倍の濃いアイスティーを作っておくのです。

そして常温で保存しておきます。

お出しする時は、熱湯で3倍の量に薄めるだけ。
紅茶の美味しい温度は、実は 60~70℃ くらいですから、常温に置いておいた3倍濃縮の紅茶を熱湯で3倍の量に戻せば、ちょうど、この美味しい温度になります。

3倍濃縮アイスティーは濃いため、クリームダウンして濁っていますが、熱湯を注げばクリームダウンは綺麗に解消します。
ただ、クリームダウンの成分が沈むため、撹拌して均一にしてからカップに注ぎ、熱湯で3倍に割ってください。

「そんなやり方で美味しく飲めるのか??」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、本当にこれが淹れたてのように美味しいのです。

何故かと言えば、それは、「アイスティー方式」で淹れているからなのです。

アイスティーは淹れたての紅茶を氷で急冷します。
紅茶は(紅茶に限りませんが)温度を下げれば下げる程、美味しさの劣化が遅くなります。
つまり、アイスティー方式で淹れれば、氷で急冷するために、淹れたての美味しさが保存できるのです。
その原理はこちらでご覧ください

アイスティー方式で有れば、淹れたての美味しさが保存できるため、忙しいランチの時間帯でも、3倍濃縮アイスティーを1/3程カップに入れて、熱湯を注ぐだけで淹れたてと同じ美味しさの紅茶を、それもカップ1杯分だけでも、ご提供する事が出来ます。

その、3倍濃縮の紅茶の淹れ方を動画にしました。

https://youtu.be/hixeLUeZAEs
3倍濃縮アイスティーのいれ方

この3倍濃縮アイスティーは、ストレートの紅茶だけでなく、美味しいミルクティーにも、アイスティーにも応用できます。

ミルクティーにする時は、熱湯で1.5倍に薄めてください。
温度が少し足りないので、ちょっと電子レンジで温めます。
そして常温のミルク(普通の牛乳)をたっぷり添えましょう。

通常、ミルクティーはストレートの2倍の濃さの紅茶に常温のミルクを入れますから、1.5倍に薄めるのです。

アイスティーの場合も、1.5倍に薄め、そこに氷を入れます。
氷を入れすぎるとクリームダウンを起こし濁ってしまいますから、氷は最小限に入れましょう。
アイスティーの時は、ディンブラ、アッサムファーストフラッシュなどがお勧めです。

こんな簡単な方法で、忙しいランチの時間でも、淹れたての美味しい紅茶が、それもカップ1杯分だけお出しできるのです。

この淹れ方、実はパーティーのフリードリンクにも適してます。
電気ポットで熱湯を準備しておけば、「熱湯で3倍に薄めてくださいね。」と書いておけば、美味しい紅茶を飲んでいただけるのです。

紅茶のタンニンは、抗菌作用を持っていますから、砂糖を入れない限り常温でも数日は大丈夫ですが、念のため、翌日には使い切る事をお勧めしておきます。

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