モーニングの発祥の地
2017/05/27
名古屋めしの一つとして全国的にも有名になったモーニングの発祥の地はいったいどこなんだろうか?
近年、愛知県一宮市がモーニング発祥の地として町おこしをしています。
一宮市は公式ホームページを作り、「その起源はガチャマン景気に沸いた昭和30年代前半。繊維業を営む、いわゆる「はたや」さんは昼夜を問わず頻繁に喫茶店を訪れていました。そこで人の良いマスターが朝のサービスとしてコーヒーにゆで卵とピーナツを付けたのがはじまりです。」としています。
http://ichinomiya-morning.com/?page_id=10
更に「その最初の店はどこか?」と探したうえで、「昭和31年といえば、モーニング発祥の店だといわれる広島市のタカノ橋商店街にある『ルーエぶらじる』がサービスをはじめた年でもある。一宮ではその時点でモーニングは存在していたのである。と、なると、発祥はそれ以前なのか?」と、別説でモーニング発祥の地とされる広島より早いと、一宮が発祥の地だと暗に主張しているものの、根拠は書かれていない。
http://ichinomiya-morning.com/?page_id=19
一宮の方には申し訳ないが、私には一宮が発祥の地だとは思えない。
それは何故かと言えば、モーニング文化は名古屋(愛知県)が有名ではあるが、実は愛知県の専売特許でも何でもなく、日本全国に存在しているからである。
広島市のタカノ橋商店街の『ルーエぶらじる』がモーニング発祥の地説は、一宮モーニングのサイトにも書かれているが、実は姫路のモーニングが凄いのである。
今日はそれを体験しに、姫路市飾東町のカフェ Tsukishi さんまでやって来た。
ここは日本紅茶協会認定の「おいしい紅茶の店」の認定店でもあり、珈琲と共に紅茶にも力を入れているお店である。
ちなみに、紅茶はリンアンの紅茶を使っていただいている。^^
姫路のモーニングが凄い事を知ったのは、尾張旭のおいしい紅茶の店「夢乃舎」さんのモーニングをネットにアップした時である。
mixi でそれを読んだ知人が、「名古屋のモーニングは凄いって言うけど、その程度なの?」「姫路はもっと凄いわよ。」と書き込んだのである。
それだけならまだしも、「当然、こぶ茶も出てきます。」
これが決定打となった。
「コーヒーの後の昆布茶」
かって、愛知県の喫茶店は、必ず最後に昆布茶が出てきた。どこの店でもそうだった。
その昆布茶の由来は分からないが、「これはそろそろお帰り下さい、って合図だよ。」と言われていたものである。
それが、最近、昆布茶を出す店は殆ど無い。
でも姫路では、それが当たり前だという。
モーニングだけならどこかで聞きつけたサービスが広がった可能性が有る。
しかし、愛知ではほぼ完全に廃れてしまった昆布茶の文化がいまだに残っているとすれば、これはルーツを同じくする文化だと言わざるを得ない。
モーニング文化は名古屋(一宮、岐阜市辺りも含む)姫路だけでなく、探して見ると四国・松山市の喫茶店でも多く見られる。
名古屋、広島、姫路、松山。
これだけ広い範囲に点在しているとなれば、どこかで始まった文化が全国に広がったものだと考えるのが普通だろう。
そしてそれはやはり、「東京」の可能性が非常に高い。
東京のモーニングを調べてみると、老舗の、喫茶室ルノアール のモーニングが有名らしい。
「ここか!」「ここなら十分考えられる!」と思ったのだが、ルノアールの喫茶部門の営業開始は昭和39年。
それだと、一宮よりも後になってしまう。
どうもルノアールでは無いらしい。
ウィキペディアで確認すると、それらしい記事が書かれていた。
ここには、出典を示し、1919年銀座のカフェ パリウスタ が全国の支店に指示をしてモーニングを始めたと書かれている。
カフェ パリウスタは、元々ブラジル移民会社を経営していた水野龍 が、その見返りにブラジルからコーヒー豆を無償提供され、全国に支店を構えたらしい。
この話なら、同じモーニング文化が全国に点在しているのも納得できる。
どうも、この1919年カフェ パリウスタ説がモーニングの発祥の真実だと思ってよさそうである。
と言いながら、カフェ Tsukushi さんのアーモンドトーストを食べる。
愛知県では小倉トーストが有名だが、姫路はアーモンドトーストが定番である。
定番になるにはそれなりの理由(美味しさ)が必要で、それだけのことは有る。
う~~ん。美味い!
ちなみに、画像は Tsukushiさんのモーニング。